上野公園は多くの美術館・博物館が集まり美術館巡りのおすすめエリアです。その上野公園を中心に谷中、根岸など台東区の美術館を一覧でご紹介。各施設の概要や所蔵品の特徴、おすすめポイントなどを掲載。また、高校生や中学生など学生の入館料が無料となる場合など無料で楽しめるアートもご案内。美術館巡りにご活用ください。
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上野公園は一日中アート鑑賞を楽しめるおすすめエリアです。4つの美術館、2つの博物館の他、音楽ホール、動物園、国際子ども図書館、また不忍池や西郷隆盛像などもあり芸術だけでなく歴史や文化に触れることができます。観覧料が手頃で充実した内容の常設展示や、観覧料が無料の展覧会、さらに年齢によっては観覧料が無料となる場合もあるので事前にチェックして出掛けることをおすすめします。
明治5年に開館した日本で最も長い歴史をもつ博物館。日本を中心にした東洋のさまざまな国や文化の美術作品、歴史資料、考古遺物などを収蔵。その数は12万件以上に及ぶ。主に所蔵品と寄託品で構成される総合文化展(常設展)は日本文化の歴史をたどる「日本美術の流れ」や彫刻、陶磁、刀剣さらに日本の考古、法隆寺宝物など様々な分野が見られるのでおすすめしたい。他に年5回程度特別展を開催している。
明治10年に創立された、日本で最も歴史のある博物館の一つで、自然史・科学技術史に関する国立の唯一の総合科学博物館。常設展示は日本列島の自然と私たちをテーマにした「日本館」と、地球生命史と人類をテーマにした「地球館」があり、日本最大級のアンモナイトコレクションや恐竜、マンモスの骨格標本など見どころが多い。他に特別展なども開催している。展示をより楽しむために、スマートフォンなどを使い概要解説を画像と文字で表示する「かはく HANDY GUIDE」(無料)を利用するのもおすすめ。
印象派の絵画およびロダンの彫刻を中心とするフランス美術コレクション(松方コレクション)を母体とした西洋の美術作品専門の美術館。中世末期から20世紀初頭の名画や彫刻など世界各国の美術品や、約4,500点を数える版画(2022年4月現在)を所蔵し、常設展観覧できる。世界遺産に登録されたル・コルビュジエ設計の建物も見どころの一つ。
大正15年に上野恩賜公園に東京府(都)美術館として開館。現在の建物は1975年9月に建築家 前川國男が設計し開館。日本画・油絵・彫刻・工芸・書のほか版画・写真・盆栽など多岐にわたる美術団体の公募展を開催。また、常設展はないが、報道機関との共催で大規模な企画展を行っている。2012年4月リニューアルオープン。
上野公園の中に建つ美術館。常設展示は無いが、美術館主催の現代美術展、公募展のほか独創的な企画展を開催している。また、初心者から熟練者まで対象にしたアートスクールでは油彩、水彩、日本画などの講座を行っている。
東京芸術大学美術学部構内にある美術館。収蔵品は国宝・重要文化財32点を含む約2万8千件に及び、絵画、版画、彫刻、工芸品、建築、美術資料など多岐に渡る。コレクションの展覧会において、その一部が公開される。
日本近代洋画を代表する黒田清輝の遺言により建てられた記念館で、煉瓦造りのおしゃれな洋館は登録有形文化財になっている。油彩画約130点、デッサン約170点、写生帖などを所蔵し、黒田清輝の画業の初期から晩年までを一覧できる。観覧料は無料で、新年、春、秋の年3回は各2週間、黒田清輝の代表作である「読書」、「舞妓」、「智・感・情」、「湖畔」が特別室で公開されるので特におすすめ。
その他文化施設
入館無料
藝大アートプラザ(東京都台東区上野公園 東京藝術大学美術学部構内)
東京藝術大学 上野キャンパス内にある入場無料のアートギャラリー。東京藝術大学の学生、卒業生、教員など、藝大に関わる作家たちを中心にした様々な企画展を開催し展示と販売を行なっている。さらに多彩なアーティストたちが手掛けた、器やグラス、アクセサリーなど暮らしに寄り添うアート作品を展示販売する「LIFE WITH ART」コーナーもあり手頃な値段で作品を購入できる。
国際子ども図書館(東京都台東区上野公園)
平成12年に国立国会図書館の支部図書館として設立された、日本初の国立の児童書専門図書館。館内は自由に本を読んだり展示を鑑賞することができ、児童文学や絵本史について各時代の特色や代表的な作品を展示する児童書ギャラリーや、世界の国や地域の地理、歴史、文化等を紹介する本を集めた「世界を知るへや」などがあり、子どもの本に関する展示会なども開催している。
上野動物園(東京都台東区上野公園)
明治15年に開園した日本では最も古い動物園で、「世界三大珍獣」とされるジャイアントパンダ、オカピ、コビトカバを始め約300種3,000点の動物を飼育している。
東京文化会館(東京都台東区上野公園)
1961年に建設され「音楽の殿堂」として、国内外のオペラ、バレエ、クラシックコンサートなどの歴史的な名演の舞台となっている東京都立のホール。前川國男が設計した建物は、日本を代表するモダニズム建築としても知られている。
旧東京音楽学校奏楽堂(東京都台東区上野公園)
明治23年に東京藝術大学音楽学部の前身、東京音楽学校の校舎として建築され、建物の老朽化により台東区が東京藝術大学から譲り受け、昭和62年に現在の地へ校舎を移築・復原し「旧東京音楽学校奏楽堂」として一般への公開を始めた。現在、建物は重要文化財の指定を受け、演奏会なども開催している。
下町風俗資料館(東京都台東区上野公園 )
古き良き下町の文化を永く後世に伝えるために設立された資料館。明治・大正・昭和の時代に使われていた物や資料等を所蔵・展示。現在リニューアルのため休館中。(2025年3月オープン予定)
観光名所
上野東照宮(東京都台東区上野公園)
1627年創建された徳川家康公(東照大権現)を神様としてお祀りする神社。金色殿などの豪華な建造物は、貴重な江戸初期の建築として国の重要文化財に指定されている。また敷地内のぼたん苑では春は牡丹と桜、秋は紅葉とダリア、お正月は冬ぼたんを鑑賞できる。
不忍池・辯天堂(東京都台東区上野公園)
上野恩賜公園の中にある池で、スワンボートなどを楽しめるボート乗り場、都内屈指の蓮の名所で毎年7月下旬~8月上旬頃に開花を楽しめる蓮池エリア、上野動物園の一部として冬季には、カモ類、カモメ類が多数飛来する「鵜の池」の3つのエリアに分かれている。また、池の中央には寛永寺を創建した天海僧正が建立した八角形のお堂「不忍弁天堂」がある。
清水観音堂(東京都台東区上野公園)
1631年に寛永寺の大僧正 天海が建立した京都の清水寺を見立てたお堂で、現在国指定重要文化財になっている。江戸時代には植木職人が造作した「月の松」(円を描いた松)が植えられ、歌川広重の「名所江戸百景」に描かれている。現在は復元された「月の松」を見ることができる。
西郷隆盛像(東京都台東区上野公園)
明治31年、西郷隆盛が戦った上野戦争ゆかりの地に、彫刻家 高村光雲が制作した西郷隆盛の像が建てられた。
無料で楽しめるアート!
無料で入館できる施設や、学生、シニアなど条件によって無料になる場合、さらに入館しなくても見られるアートなどをご紹介。
→入館料無料
→高校生以下及び満18歳未満、満70歳以上無料
→複数の展覧会が開催されていることが多く、特別展と一部の企画展を除きほぼ無料(有料の場合も条件によっては無料に)
→東京藝術大学の学生や教員などによる作品展はほぼ無料(有料の場合も条件によっては無料に)
→高校生(高等専門学校生含む)以下無料
上野公園参考サイト
上野恩賜公園 Ueno Park 公式ホームページ(東京都建設局)
上野公園の公園マップや施設の紹介、イベント案内など上野公園全体の概略がわかります。
近代日本画の大家、横山大観が居住し制作活動を行った家屋を記念館として開放。大観の作品「風雨・双龍争珠・四時山水・或る日の大平洋など」30点やスケッチ帳など所蔵の作品を展示。春夏秋冬、年4回展示替えを行っている。
その他
旧岩崎邸庭園(東京都台東区池之端)
明治時代に三菱財閥岩崎家の本邸として建てられた建物とその庭園を、都立公園として整備し公開している。ジョサイア・コンドル設計の洋館、撞球室(ビリヤード場)、和館の3棟が現存し敷地全体と建物は重要文化財に指定されている。
❖ 上野エリアの美術館巡りにおすすめの宿 ❖
谷中銀座や夕焼けだんだんなど下町風情の残るエリア。散歩をしながら街並みとアートが楽しめるのが素敵です。
日本近代彫塑の基礎をつくった彫塑家、朝倉文夫の美術館。人物像や動物像など初期から晩年までの作品を展示。自ら設計した建物は住居、アトリエ、彫塑塾などからなる。西洋建築と日本建築の要素が見事に違和感なく調合、融合している。
洋画家であり書家でもあった中村不折(1866ー1943)が、その半生40年余りにわたり独力で蒐集した、中国及び日本の書道史上重要な資料を展示する専門博物館。 本館では金石関係の考古品を常設展示、新館の中村不折記念館では、企画展・特別展を年に3~4回行い、紙本関係の収蔵品を紹介している。
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