岸田劉生(きしだりゅうせい・1891~1929)は白馬会の洋画研究所に入り、黒田清輝に学ぶ。その後、ルネサンス時代のドイツの画家デューラーに傾倒、細密な描写に加え東洋の美学の探究へ向う。自画像の他、肖像画を多く手がけ、中でも愛娘の麗子をモデルに「麗子微笑」「麗子立像」「麗子座像」など多くの麗子像を描いている。
岸田劉生の「麗子像」に出会える美術館
所蔵作品/麗子十六歳之像 他134点
「麗子十六歳之像」は16歳の大人びた表情の麗子を描いた作品
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美術館概要:モネ、ルノワール、ゴッホ、ピカソなどヨーロッパ印象派からエコール・ド・パリの巨匠達の作品、岸田劉生、藤島武二などの日本近代洋画、アメリカの現代美術など多岐に渡る。さらにパレット画や近代洋画家たちの自画像等のコレクションも。
所蔵作品/麗子像 他
「麗子像」は正面を向いた麗子を描いた数少ない作品(麗子8歳頃)
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美術館概要:「麗子像」をはじめとする岸田劉生の作品展示室がある。 また、佐伯祐三、安井曽太郎、熊谷守一やロダン、ルノワール、ピカソ等、巨匠の名画から 高麗・李朝の陶磁器に至る矢吹コレクションを展示。建築家・吉村順三の遺作となった和風の美術館。
所蔵作品/道路と土手と塀(切通之写生)、麗子肖像(麗子五歳の像) 他
「道路と土手と塀」は岸田劉生の代表作で重要文化財に指定されている。「麗子肖像」は岸田劉生が娘を描いた最初の肖像画で写実的に描かれている(麗子5歳頃)
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美術館概要:日本画、洋画、版画、水彩・素描、写真など美術の各分野にわたる13,000点もの作品を所蔵。コレクション展では所蔵品の中から会期ごとに約200点がセレクトされ、20世紀初頭から今日に至る約100年間の日本の近代美術の流れを、12の展示スペースで紹介している。
所蔵作品/麗子像 他
テンペラで描かれた「麗子像」で、風邪を引いていた時に描かれたため喉に白い布を巻いている(麗子9歳頃)
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美術館概要:ブリヂストン美術館が「アーティゾン美術館」に改称し2020年1月開館。主な所蔵品は19世紀フランス印象派と20世紀の西洋絵画で他に明治期以降の日本近代洋画、第二次大戦後の抽象絵画など。旧美術館の約2倍の広さとなった美術館は、ミュージアムタワー京橋の1階〜6階で4階〜6階の3フロアが展示室。
所蔵作品/麗子微笑
「麗子微笑」は毛糸の肩掛けをかけた麗子。ダ・ビンチの「モナ・リザ」にヒントを得たという作品で神秘的な微笑みを浮かべている。重要文化財に指定されている(麗子8歳頃)
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美術館概要:明治5年に開館した日本で最初の博物館。日本を中心にした東洋のさまざまな国や文化の美術作品、歴史資料、考古遺物などを収蔵。その数は11万件以上に及ぶ。主に所蔵品と寄託品で構成される総合文化展(常設展)の他、年5回程度特別展を開催している。
所蔵作品/近藤医学博士像、童女図(麗子立像)他
「童女図(麗子立像)」は、総絞りの和服を着て、手に菊の花を持った作品(麗子10歳頃)岸田劉生自身が最も優れた肖像画と日記に記している
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美術館概要:本近代の絵画、特に油彩画がコレクションの中核を占め、 その他水彩・素描、日本近代の彫刻の貴重な作品がある。日本最初の近代美術館として開館した鎌倉館は2016年1月31日で一般公開を終了したため葉山館、鎌倉別館で美術館活動を行っている。
所蔵作品/麗子坐像
他9点
「麗子坐像」は、赤と黄の絞りの着物を着た麗子が、強張った表情で座っている作品。右手の側に赤いリンゴが描かれている(麗子6歳頃)。水彩画で描かれた「麗子像」(麗子9歳頃)も所蔵
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美術館概要:コレクションの中核は、19世紀フランス印象派やエコール・ド・パリなどの西洋絵画。 日本の洋画、日本画、東洋陶磁、日本の近現代陶磁、ガラス工芸、化粧道具等も収蔵(テーマ展示を開催)建物は2004年日本建築学会賞・作品賞を受賞。
所蔵作品/麗子微笑像
「麗子微笑像」は赤と黄の絞り染めの着物を着て、頭に中国のかんざしをつけ笑みを浮かべた麗子を描いている(麗子8歳頃)
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美術館概要:上原近代美術館と上原仏教美術館が一つになり、2017年に上原美術館となった。マネ、ルノワールなどの西洋絵画や、梅原龍三郎、須田国太郎などの日本絵画を収蔵する近代館と、平安、鎌倉時代の仏像や、奈良時代の古写経、近現代の仏像など幅広い仏教美術を収蔵する仏像館がある。
所蔵作品/笑ふ麗子、麗子微笑之立像、林檎を持てる麗子、麗子坐像 他
「笑ふ麗子」は歯を少しだけ見せて笑う麗子を描いた作品(麗子9歳頃)
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美術館概要:2009年4月、展示室や他目的ホールの新設とユニバーサルデザインを実現してリニューアルオープン。マネ、ゴッホ、ルドン、アンソール、スーラ、モローなどのヨーロッパ絵画、上村松園、尾形光琳などの日本画、藤島武ニ、岸田劉生などの日本洋画、彫刻・工芸・古美術をおよそ1400余点の多岐に渡って所蔵。
所蔵作品/麗子洋装之図(青果持テル)他
「麗子洋装之図」は青果を手に持つ洋装の麗子を描いた水彩画で、この時期は水彩画を精力的に取り組んでいた(麗子8歳頃)
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美術館概要:国内外の近現代の美術とデザイン分野の作品を収集、展示。展示室は漆芸術家、高橋節郎の寄贈作品を常設展示する高橋節郎館を含めて大小あわせて11室。展示方法等に工夫を凝らし、各展示室とも来館者に最良の鑑賞空間を提案している。
所蔵作品/麗子弾絃図 他
「麗子弾絃図」は麗子が三味線を持っている様子の作品(麗子10歳頃)。大正12年頃劉生は、歌舞伎や三味線、長唄に熱中していた
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美術館概要:国内外の近・現代美術に関する作品と、京都及び西日本を中心とする京都派の日本画、 京都近代の洋画などを収集、展示。なかでも陶芸、染織など工芸に重点を置く。 琵琶湖疎水に面したカフェは、桜の季節には疎水べりの桜を愛でるスポットとして人気。
所蔵作品/二人麗子図(童女飾髪図)
麗子が二人描かれた異色の作品(麗子9歳頃)
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美術館概要:住友家が蒐集した美術品を展示する美術館。15代当主春翠が蒐集した中国古代の青銅器、鏡鑑の他、 中国・日本の絵画書跡、茶道具・文房具を中心とする工芸品なども幅広く収蔵。 館蔵青銅器を常設で4つの展示室に分けて陳列している。
所蔵作品/毛糸肩掛せる麗子肖像 他
「毛糸肩掛せる麗子肖像」は毛糸の肩掛けをかけた麗子の肖像で「肖像の中ではやはり一番いいものの気がする」と劉生自身が記した自信作(麗子7歳頃)
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美術館概要:岡田三郎助、藤田嗣治、梅原龍三郎、安井曾太郎、横山大観、竹内栖鳳、上村松園、 前田青邨などの近代日本絵画、他に18~19世紀のマイセン磁器やガレを中心とした アールヌーヴォーのガラス作品、中国清代の陶磁器、薩摩焼を収蔵、展示。
所蔵作品/夏の小路、壺、村娘之図 他25点(寄託作品をふくむ)
「初夏の小路」は療養のため鵠沼に滞在していた頃の作品で、二科展に出品し最高賞の二科賞を受賞した
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美術館概要:下関出身で近代日本画の祖といわれる狩野芳崖 下関市と縁の深い高島北海、香月泰男、桂ゆきなどの作家の秀作をはじめ 近現代の洋画・日本画を中心に、収蔵・展示をしている。
その他の岸田劉生の作品を所蔵する美術館
日本の名品に出会える美術館