自然の風景に溶け込む、全国の森の中の美術館をご紹介。日常から離れ、豊かな緑と澄んだ空気の中、時には一人旅もおすすめです。アート鑑賞の後は遊歩道の散策や眺望を楽しみながらのカフェタイムも素敵です。
美唄市出身で国際的に活躍する彫刻家 安田侃の作品を展示する野外彫刻美術館。閉校となった小学校跡地を中心にして、木造校舎をギャラリーに、屋外には大理石やブロンズ等の作品を配置。約7万m²の敷地に丘や森が広がり、四季折々の自然と彫刻とが調和する野外美術館となっている。
豊かな自然環境の広大な敷地に、国内外の彫刻作品を展示した野外美術館をはじめ 札幌芸術の森美術館、佐藤忠良記念子どもアトリエなどが点在する 鑑賞、発表、制作、研修、情報交流の機能を備えた複合芸術文化施設。
御所湖畔の森の中に建つ美術館。ロシアやポーランドなど国内でもめずらしい東欧絵画を常設展示、 座布団に腰を降ろして古美術品の鑑賞も楽しめる和室展示もある。 他に企画展、特別企画展、フォトギャラリーと多彩に展開している。
澤乃井小澤酒造が、収集家・岡崎智予のコレクションを一括継承し、更に新規の収蔵品を加えて開館。江戸から昭和までの櫛とかんざしを中心に、紅板、はこせこ、かつら、矢立等4000点の中から、季節に合わせて約400点を常設展示している。
明治期から昭和期にかけて活躍した日本画壇の巨匠・川合玉堂が、青梅市御岳渓谷で過ごしたのを記念して建てられた。奥多摩の自然と見事に融合した建物は、数奇屋建築で名高い、故・吉田五十八氏による設計で、本格的な枯山水庭園がある。奥多摩を描いた作品や遺品、当時のアトリエを再現した部屋などが展示されている。
美術館は欅、楓、樫、杉などの木々に囲まれた民家風の木造建物 (築150年の奥多摩民家を解体し、その部材で建てている)。 多摩地域にかかわりのある作家や作品を年間4~5回展示、建物と周囲の風景が楽しめる。
「箱根の自然と美術の共生」がコンセプト。周囲の環境との調和をはかり、建物のほとんどを地下に置いて、森の風景の中に溶け込むような美術館。コレクションの中核は、19世紀フランス印象派やエコール・ド・パリなどの西洋絵画。日本の洋画、日本画、東洋陶磁、日本の近現代陶磁、ガラス工芸、化粧道具等も収蔵(テーマ展示を開催)。建物は2004年日本建築学会賞・作品賞を受賞。
カソの陶器の作品を中心に、油絵や素描、版画など多彩な作品を展示するピカソ館、 本館、アートホール、そしてルノアール、ユトリロなどの名画を展示する絵画館、 屋外展示場ではムーア、ロダン、マイヨール等の近現代の彫刻作品を展示。
1000点を超える収蔵作品のなかから代表作約50~80点を展示するとともに、年に数回の特別展・企画展を開催。17世紀のレンブラントから20世紀美術に至る多彩なコレクションを収蔵している。美しい建物は海老原一郎による設計。
2010年11月にオープンした、日本初の写実絵画専門の美術館。森本草介、中山忠彦、野田弘志を始めとする、現代作家約40人による写実絵画約300点を所蔵する。隣接する昭和の森を眺めながら食事が堪能できるレストランも併設されている。
森の緑と、野鳥の声に包まれた美術館。南砺市ゆかりの作家である板画家・棟方志功、 日本画家・石崎光瑤、彫刻家であり陶芸家でもあった松村秀太郎の作品を収蔵、展示。 分館として棟方志功記念館・愛染苑や、旧居の鯉雨画斎などがある。
ぶな林に囲まれた小さな美術館。郷土にゆかりの深い作家である星襄一の木版画、藤巻秀正の彫刻、 人間国宝 天田昭次の日本刀を中心に収蔵し、年4回の企画展示を開催している(常設展示はない)。
天竜市出身、女流日本画家・秋野不矩がインドの風景、寺院などをテーマに描いた作品を中心に 常設展示する美術館。建物の設計は藤森照信。 小高い丘の上に建ち、自然素材をできる限り自然に近い状態で使い、自然との調和に配慮している。
動物画家である薮内正幸が遺した、1万数千点におよぶ作品を 保存・展示する日本で唯一の動物画専門の美術館。 動物たちへの温かい眼差しで描いた作品は、定期的に総入れ替えしており来館のたびに新しい作品が楽しめる。
アンティーク・オルゴールを含む自動演奏楽器と、 安土桃山から昭和初期までの日本の伝統的な食器を収蔵・展示。 館内ではオルゴール等の実演や解説も毎日開催。館内のオルゴールの響きの中での結婚式も行われる。
ジャスパー・ジョーンズ、アンディ・ウォーホル、クレー、ロスコ、カンディンスキー、 菅井汲、堂本尚郎などの現代美術作品を中心に収集、展示。 毎年「コレクション展」や若手作家を紹介する「Art Today展」などの企画展を開催している。
軽井沢の森の中、欧米の絵本を中心に、近・現代に活躍する作家の絵本原画や 初版などの絵本資料を約6000点収蔵。その中から定期的に展示替えをしている。 また絵本に関するビデオ上映や、春・夏の企画展、秋・冬展、特別展を行っている。
緑豊かな八ヶ岳の麓、 蓼科高原の入口6000坪の森の中に佇む美術館。 日本画家高山辰雄の作品を中心に、近現代の日本画・洋画作品300点あまりを収蔵、展示している。 2006年4月より京都造形芸術大学附属美術館として、新館長に千住博を迎え新たに開館。
恋人たちをモチーフにしたフランスの画家レイモン・ペイネの作品を展示する美術館。 軽井沢聖パウロカトリック教会を設計した建築家、アントニン・レイモンドの別荘兼アトリエを移築した 小さな建物。繊細で情感溢れるペイネの世界を堪能できる。
ビング&グレンダール窯の1895年から現在までと、 ロイヤル・コペンハーゲン窯の1908年から現在までの、 クリスマスプレートと呼ばれるクリスマスの情景を描いたお皿や、テーブルウェアを展示している。
自然豊かで、日本六古窯のひとつ丹波に建てられた「土と語る、森の中の美術館」。丹波焼を始めとする「田中寛コレクション」と近現代の陶芸作品を主に収蔵。展示棟、エントランス棟、研修棟等から成る施設では、展覧会の他、陶芸家を目指す次代の人材の養成も行っている。
信楽の美しい山々に囲まれた美術館。桐紋陣幕屏風(桃山時代)などの日本の美術品や 隼頭神像(エジプト)、精霊と従者浮彫(アッシリアのレリーフ)など世界の古代美術品を収蔵、展示している。 建物の設計は、フランス・ルーブル美術館のガラスのピ ラミットを手掛けたI.M.ペイ。
中世より続く日本六古窯のひとつに数えられる信楽。 伝統ある焼き物の地、信楽にある陶芸専門の美術館。 国内外の現代陶芸作品と郷土ゆかりの陶芸作品を収蔵。年6回程収蔵品展や 特別展を開催。収蔵品の解説ビデオ上映や茶会企画も行っている。
美術館としては珍しい木造建築の温かみのある建物。村山槐多の作品を中心に、 高橋由一、萬鐵五郎、 岸田劉生などの作品を展示。館蔵品展や企画展の他にギャラリーコンサートなど多彩に開催。 四季の花々が楽しめる隣接した「森林山草園」も。
霧島連山の北にある栗野岳の中腹、大自然の中に広がるスケールの大きな美術館。 所蔵作品は、国内外の20名の優れた作家の現代彫刻が展示されている野外広場・樹林ゾーン・ 創造の森からなる「野外エリア」とアートホールの「屋内エリア」に。