陶芸作品を所蔵する全国の美術館をご紹介。初期伊万里や古九谷、丹波や信楽などの産地や陶芸作家、ユニークな陶芸などテーマごとに陶磁器美術館を一覧で。陶芸体験や絵付け体験の情報も掲載。
技が光る、個性があふれる、
陶芸作家に注目
日本陶芸界の巨匠であり、陶芸界の先覚者、功労者として陶芸家として初めて文化勲章を受章した、 板谷波山の生家屋敷内に開館した記念館。陶芸作品、愛用の硯箱などゆかりの品々や工房等を展示している。 生家は茨城県の指定文化財。
✤茨城県笠間市周辺を産地とする笠間焼の歴史や技法を紹介するコーナーがある。
栃木県佐野市出身で酸化鉄を主成分とした釉薬で絵付けする「鉄絵」の人間国宝 田村耕一の作品を収蔵、展示する美術館。展示は時代や技法ごとに紹介され、初期から晩年の作品までを展観できる。さらに田村と交流のあった益子焼の作家などの作品を集めた展示室もある。
和菓子でおなじみ源 吉兆庵が開館した美術館。常設展では鎌倉ゆかりの人物「北大路魯山人」の器をはじめ、 書画・漆工芸などの作品を展示している。 その他、日本の歳時記にちなんだ企画展を年4回の入れ替えで展示予定。
明治時代に横浜で主に輸出向けの陶磁器を製造するため眞葛窯を築き、世界各地の万国博覧会で高い評価を得た陶工 宮川香山の作品を中心に展示するミュージアム。香山は動物や植物をリアルで立体的に装飾する「高浮彫」の創始者として知られている。
唐九郎の作品と、唐九郎が蒐集した桃山陶器片で展示構成された、近代陶芸界の巨匠、加藤唐九郎の記念館。 近代陶芸史上における記念碑的な唐九郎の初期の代表作「氷柱」と、 唐九郎の到達点とまでいわれる晩期の代表作「紫匂」がある。
長い歴史と伝統を誇る九谷焼の流れを受け継ぎながらも、現代感覚を生かした独自の世界を表現した、 石川県出身の九谷焼の陶芸家・二代浅蔵五十吉(1996年文化勲章受賞)の代表作品を展示。 五彩館に隣接し、建物は池原義郎の設計(1995年建築業協会賞)
藤島武二の絵画や桃山時代の陶器等をはじめ、茶道具や古文書などを収蔵する博物館。 三重県出身で博物館創設者である川喜田半泥子は銀行の頭取等に就きながら、 陶芸に深い興味を持ち独自の作風で多くの陶芸作品を制作しており、その作品も常設展示されている。
1978年、樂家に隣接して設立された樂焼の美術館。所蔵品は約900点。 初代長次郎から始まって十五代、樂家に伝来する樂歴代作品、茶道工芸美術、樂家文書資料などを 季節ごとテーマに沿った展観を行っている。
✤樂歴代の作品を手にとって鑑賞できる「手にふれる樂茶碗鑑賞会」などの企画を開催。
大正から昭和にかけて京都を拠点に活躍した陶芸作家 河井寛次郎の作品を手で触れて感じることができる記念館。 陶工でありながらその仕事は陶器に留まることなく、木彫、さらには家具や調度品まで、 寛次郎が生前、日々の生活の中に求めていた美を堪能できる。
県ゆかりの板谷波山、松井康成のコーナーをはじめ、富本憲吉、楠部彌弌、塚本快示など、 日本近現代陶芸において優れた業績を残した、文化勲章受章者及び重要無形文化財保持者等の作品を常設展示。 幅広い視野で多彩な企画展も開催している。
世界文化遺産でもある、国宝・姫路城の真南に位置し、屋上からは姫路城の壮麗な姿が一望できる。 近現代の陶磁器、絵画の作品収集に力を注ぎ、人間国宝をはじめとする、優れた作家の陶磁器を約800点 日本の代表的な巨匠絵画作品を約200点を所蔵。展覧会は年に4回程開催している。
伝統を受け継ぐ、やきものの産地。
日本のやきもの産地に焦点をあてる
益子にゆかりある陶芸家の作品を中心に紹介する陶芸美術館。人間国宝の濱田庄司や島岡達三らの作品、バーナードリーチ等海外の陶芸家の作品を常設展示。また、現代陶芸を中心にした企画展も開催。周囲に旧濱田庄司邸や益子出身の木版画家の笹島喜平館などがある複合施設となっている。
豊かな自然に囲まれた古窯の里、越前町の越前陶芸村にある福井県陶芸館。 日本六古窯の一つに数えられ、素朴でありながら力強く個性的な美しさを持つ越前焼のすべてがわかる施設として 見て学ぶ「資料館」、作って楽しむ「陶芸教室」、使って味わう「茶苑」が揃っている。
✤「手ひねり体験コース」「絵付け体験コース」など陶芸体験ができる。
古代・猿投窯で焼かれた仏器、中世・瀬戸窯で焼かれた酒器、愛知の生んだ、 日本の現代陶芸の巨匠唐九郎の代表作品「黄瀬戸輪花鉢」の優品まで、やきものの歴史や作品を展示。 東海地方の民俗信仰を示す資料でもあるこま犬を展示している。
✤陶芸館で作陶、絵付け2種類のやきもの体験ができる。
自然豊かで、日本六古窯のひとつ丹波に建てられた「土と語る、森の中の美術館」。 丹波焼を始めとする「田中寛コレクション」と近現代の陶芸作品を主に収蔵。 展示棟、エントランス棟、研修棟等から成る施設では、展覧会の他、 陶芸家を目指す次代の人材の養成も行っている。
✤陶芸体験ができる陶芸文化講座や電動ろくろ、登り窯での作陶などいろいろな講座を企画している。
中世より続く日本六古窯のひとつに数えられる信楽。伝統ある焼き物の地、信楽にある陶芸専門の美術館。 国内外の現代陶芸作品と郷土ゆかりの陶芸作品を収蔵。年6回程収蔵品展や特別展を開催。収蔵品の解説ビデオ上映や茶会企画も行っている。
✤自由に茶碗を作陶する初心者向けから、上級者向けの登り窯講座など、各種の陶芸体験講座を企画している。
小堀遠州の好みの茶器を焼いた窯である遠州七窯の一つに数えられる、膳所焼きの産地滋賀県大津市にある美術館。江戸時代以来の古膳所焼及び滋賀県の古陶磁、茶道具類を所蔵し、古膳所焼の常設展示のほか、年に2回茶道具の企画展示を行っている。敷地内には庭園と茶室があり、入館者にはお抹茶の接待がある他、隣接する窯元にて現在の膳所焼の販売も行っている。
北海道陶芸の基礎を築いた小森忍が指導・制作した作品を時代別、地域別に紹介する「小森忍記念室」。 北海道で現在活動中の窯の作品を展示する「北のやきもの展示室」 北海道の赤れんがに関する「れんが資料展示室」がある。
✤陶芸体験や絵付け体験ができる。
足利市郊外の三万坪の景勝地に建ち、日本で初めて生産された磁器のみを展示するもので、 江戸時代肥前鍋島藩で生産された伊万里、鍋島の無名陶工の手になる磁器10000点余りを 収蔵、展示する世界最大の陶磁器美術館。
日本のみならず世界的にも評価の高い古陶磁専門美術館。古陶磁器7000有余点 古書画4000有余点を収蔵(平成13年10月現在)。 年に数回館蔵品によるテーマ展示を常時開催している。
✤各展示ごとの陶磁器の専門家による特別展示解説をはじめ、戸栗美術館とゆかりのある方々を 講師に招いた特別講座などに参加できるアートサークル(会員制)がある。
常滑、瀬戸、越前、信楽などの中世古窯を中心に、縄文時代の土器から江戸時代までの日本古磁陶器を展示。 施設内には春夏秋冬、美しく移り変わる苔庭、竹庭などがあって風情あふれる美術館。
石川県能美市の九谷陶芸村にあり、草創期から現代までの作品と九谷焼の歴史を紹介。九谷焼の特徴である九谷五彩と呼ばれる紺青・赤・紫・緑・黄の五色が各展示室の壁に使われ色絵九谷、赤絵や金襴手、企画展などの作品が展示されている。
✤別館の能美市九谷焼陶芸館で、陶芸体験や絵付け体験ができる。
石川県の代表的な美術工芸品九谷焼の発祥の地で加賀市にある九谷焼専門の美術館。青手の間(青手様式の作品)、色絵の間(色絵様式の作品)、赤絵の間(赤絵様式の作品)の常設展示室と企画展を行う展示室がある。「古九谷の杜親水公園」内にあり、四季おりおりの美しい姿を楽しめる庭園ミュージアム。
古代から近世まで約1000年の美濃焼の流れ、安土桃山時代に開花した志野、織部、黄瀬戸、瀬戸黒、 天目などの桃山陶、現代の美濃陶芸などのやきものの展示。 また美濃焼及び他産地のやきものを、年4~5回を企画し展示している。
萩焼の展示施設として萩で唯一の総合美術博物館。陶芸作家で文化功労者にも選定された吉賀大眉の代表的作品や水彩画を中心に、大眉と親交のあった著名作家の作品や、萩焼の古窯・古陶磁資料など多岐に渡り展示している。陶芸体験や、隣接する大眉の窯元「泉流山」の工房見学もできる。
✤陶芸体験や大眉の窯元「泉流山」の工房見学ができる。
九州陶磁の歴史、肥前の唐津系陶器「鉄絵萩文壺」、初期伊万里や柿右衛門様式「色絵花鳥文六角壺」、 鍋島藩窯「染付鷺文三脚付皿」などの古陶磁の名品、九州の現代陶芸家の作品、 江戸時代の有田磁器を集めた柴田コレクションを展示。
那覇市壺屋やちむん通りにある博物館。 常設展示では、土器に始まって近年の壺屋焼(つぼややき)にいたる沖縄の焼物に関する基礎知識、歴史を紹介。 その他陶芸を中心とした企画展も行っている。
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FELISSIMO(フェリシモ)
中国・朝鮮・日本などの
東洋陶磁コレクションが充実
明治5年に開館した日本で最初の博物館。日本を中心にした東洋のさまざまな国や文化の美術作品、歴史資料、考古遺物などを収蔵。その数は11万件以上に及ぶ。主に所蔵品と寄託品で構成される総合文化展(常設展)は日本文化の歴史をたどる「日本美術の流れ」や彫刻、陶磁、刀剣さらに日本の考古、法隆寺宝物など様々な分野が見られるのでおすすめしたい。他に年5回程度特別展を開催している。
✤尾形光琳・深省(乾山)合作 の「銹絵観鷗図角皿」、青木木米作「染付龍濤文提重」、 唐時代の「唐三彩竜耳瓶」をはじめ重要文化財を多数所蔵。(展示作品については東京国立博物館HPでご確認ください。)
古代オリエント美術、ヘンリー・ムア等の現代彫刻、ガンダーラ・インド彫刻を常設展示。 2階展示室では洗練された鑑賞陶磁コレクションとして世界的に知られている東洋陶磁を 企画展を通し常に展示紹介。また日本絵画、ヨーロッパ近代絵画も定期的に企画展を開催。
中国(漢~唐時代、宋・元唐時代、明時代)、韓国(高麗時代・朝鮮時代)を中心に、 日本、ベトナムなどの多くの陶磁作品や資料を時代別に、11の展示室でわかりやすく常設展示している。 企画展示室もあり特別展も多彩に開催。
三国時代(~七世紀)から李朝末期までの朝鮮(韓国)の風土で育った「美」を堪能できる美術館。 企画展は春と秋の年2回。平常展は青磁・白磁など高麗から李朝に至るまでの歴史を展示。 他に、仏教美術品、家具、絵画などを展示している。
古代、中世より東アジアに最も近く、多くの文物の交流が盛んであった福岡の地に建つ。 中国・朝鮮・日本の古陶磁の展示や茶陶も九州諸窯のものを始め、日本の代表的窯場まで広く展示。 併設の茶室もあり茶陶の名品鑑賞と茶会が同時に楽しめる。
鈴木春信、鳥居清長、喜多川歌麿、写楽、葛飾北斎、歌川広重などの浮世絵版画と 中国、朝鮮の青磁や白磁などの東洋陶磁器を収蔵。 萩市出身の実業家浦上敏朗氏の寄贈されたコレクションを基に開館した、浮世絵版画と東洋陶磁器専門の美術館。
見てみたい、
ユニークなやきものコレクション
ビング&グレンダール窯の1895年から現在までと、ロイヤル・コペンハーゲン窯の 1908年から現在までのクリスマスプレートと呼ばれるクリスマスの情景を描いたお皿や、 テーブルウェアを展示している。
2001年10月「ノリタケの森」内の施設としてリニューアルオープン。 1800年代の末から1900年代初頭にかけ製造され、主にアメリカへ輸出されたノリタケ初期の 陶磁器を展示している。現在ではアメリカの骨董愛好家から「オールドノリタケ」と呼ばれる コレクターズアイテムで人気が高い。
✤絵付け体験の他、「ノリタケアーティストクラブ」でチャイナペインティング教室やろくろ陶芸教室を開催。
かつて輸出陶磁器の生産拠点であった名古屋に、2017年10月1日に開館。 明治・大正期に欧米を中心に海外へ輸出された陶磁器(里帰り品)を中心に所蔵。 オールドノリタケ、隅田焼、眞葛焼、瀬戸焼、萬古焼、石目焼などの 輸出陶磁器が常設展示され、企画展も開催される。
陶器の製造過程の紹介、日本各地から集められた昭和初期、戦前、戦後の子供茶碗や、 赤胴鈴之助からポケモンまでのキャラクター商品の常設展示。 またミッフィーでちびっ子に人気のデック・ブルーナ、五味太郎の作品も常設展示している。
日本各時代の瓦類をはじめ、世界の瓦類、焼物資料、 瓦や焼物に関連した絵画、版画、浮世絵、書、写真を収集・展示(年4回の特別展・企画展)をしている。
✤陶芸創作、絵付体験ができる他、電動ロクロを使った本格的な陶芸教室の講座もある。
西洋美術史の代表名画を、オリジナル作品と同じ大きさで陶板に再現した「陶板名画美術館」。 ピカソの「ゲルニカ」、エル・グレコの大祭壇衝立の復元などの画期的な試みをはじめ 古代壁画から現代の絵画まで多くの陶板名画を展示している。
三浦保の自作の陶板画(ミウラート)と、氏のアート・スピリットに共感する作家の陶板画作品に、古代オリエント陶器から現代アートまで、企画展を織り交ぜながら収蔵品を展示。年に数回企画展も開催している。
ハウステンボスには4つの美術館があり、オランダの宮殿を忠実に再現した「ハウステンボス美術館」、 中国、有田焼、ヨーロッパの陶磁器を展示する「ポルセレインミュージアム」、 ガラス工芸品を展示する「ギヤマンミュージアム」、700体ものテディベアを収蔵する「テディベアキングダム」がある。