美術工芸品の中で、源氏物語絵巻、曜変天目茶碗、燕子花図などの国宝、重要文化財を所蔵する美術館、博物館を紹介します。
茶道具を中心に、中国陶磁器、絵巻と古筆、墨跡、古写経、銅鏡、刀剣など日本と東洋の古美術を展示。 国宝、重要文化財を含む4000点余りの美術品を1年に6~7回の展示替え。中でも国宝「源氏物語絵巻」や「紫式部日記絵巻」は有名。
— 所蔵する国宝 —
● 絵画/源氏物語絵巻
● 絵画/紫式部日記絵巻
● 墨跡/無準師範墨跡「山門疏」
● 墨跡/古林清茂墨跡 餞別偈
● 考古史料/日向国西都原古墳出土金銅馬具類
岩﨑彌之助、小彌太の父子二代により蒐集された美術品を収蔵、展示する美術館。絵画、彫刻、書跡、漆芸、茶道具、刀剣、中国陶磁、浮世絵など幅広いジャンルからなり、曜変天目茶碗などの国宝7件、重要文化財84件を含む、およそ20万冊の古典籍(漢籍12万冊・和書8万冊)と6,500件の東洋古美術品を所蔵。2022年10月に展示ギャラリーが世田谷から東京丸の内の重要文化財・明治生命館1階に移転、日本を代表する近代洋風建築のなかで作品を鑑賞できる。常設展示は無く、企画展でテーマに沿った作品を紹介している。
— 所蔵する国宝 —
● 工芸品/曜変天目茶碗
● 工芸品/手掻包永太刀
● 絵画/俵屋宗達筆
源氏物語関屋澪標図屏風
● 絵画/伝馬遠筆 風雨山水図
● 絵画/因陀羅筆 楚石梵琦題詩
禅機図断簡 智常禅師図
● 書跡・典籍/倭漢朗詠抄 太田切
● 古文書/趙孟頫筆 与中峰明本尺牘
1964年開館の畠山記念館が、2019年3月に改築工事のため長期休館し2024年3月に新館竣工、2024年10月5日に荏原 畠山美術館と名称変更し開館。旧畠山記念館の約3倍に拡張され、3フロアの展示室と最新設備を備えている。茶の湯の美術館として親しまれてきた同館の収蔵品は、創立者畠山一清が蒐集した美術品を中核とし、国宝6件、重要文化財33件を含む1300件に及び、茶道具を中心に、書画、陶磁、漆芸、能装束など多岐にわたる。年4回の展覧会毎に展示品を替え公開。
— 所蔵する国宝 —
● 中国絵画/煙寺晩鐘図 伝 牧谿筆
● 中国絵画/林檎花図 伝 趙昌筆
● 中国絵画/禅機図断簡 因陀羅筆 楚石梵琦賛
● 古筆/離洛帖 藤原佐理筆
● 墨蹟/大慧宗杲墨蹟 尺牘
● 漆工芸/蝶螺鈿蒔絵手箱
絵画、 書跡、彫刻、陶磁、漆芸、金工、木竹工、染織など、東洋古美術品を多岐に渡り収蔵し、 国宝、重要文化財等も多数みられる。茶の湯の道具と仏教美術品はことに充実している。 施設内の広大な自然味の深い庭園の散策も楽しめる。
— 所蔵する国宝 —
● 書跡/無量義経・観普賢経
● 書跡/根本百一羯磨
● 絵画/燕子花図
● 絵画/那智瀧図
● 絵画/鶉図
● 絵画/漁村夕照図
● 絵画/布袋蔣摩訶問答図
明治5年に開館した日本で最も長い歴史をもつ博物館。日本を中心にした東洋のさまざまな国や文化の美術作品、歴史資料、考古遺物などを収蔵。その数は12万件以上に及ぶ。主に所蔵品と寄託品で構成される総合文化展(常設展)は日本文化の歴史をたどる「日本美術の流れ」や彫刻、陶磁、刀剣さらに日本の考古、法隆寺宝物など様々な分野が見られるのでおすすめしたい。他に年5回程度特別展を開催している。
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— 所蔵する主な国宝 —
● 絵画/松林図屏風 長谷川等伯筆
絵画 他25点
● 古文書/法隆寺献物帳 古文書 他2点
● 工芸品/八橋蒔絵螺鈿硯箱 尾形光琳作
工芸品 他31点
● 書跡/古今和歌集 彩牋 元永本
書跡他 24点
● 考古資料/文祢麻呂墓出土品
重要文化財の三井本館の中に創られ、三井グループで知られる三井家が江戸時代から収集した 美術品4000点を収蔵展示する美術館。所蔵品は国宝、重文など名品優品が含まれる茶道具類を主とし、 他にも円山応挙をはじめとする円山派の絵画、中国古拓本の聴氷閣コレクション、書跡、能面などを所蔵。
— 所蔵する国宝 —
● 工芸品/志野茶碗 銘卯花墻
● 絵画/雪松図屏風 円山応挙筆
● 古文書/熊野御幸記 藤原定家筆
● 工芸品/短刀 無銘正宗
名物日向正宗
● 工芸品/短刀 無銘貞宗
名物徳善院貞宗
● 考古資料/銅製船氏王後墓誌
鎌倉市域、近隣の社寺の彫刻・絵画・工芸・書跡・古文書・考古資料などさまざまな文化財を保管・展示するために、昭和3年鶴岡八幡宮の敷地内に開館した博物館。寄託された収蔵品は国宝や重要文化財に指定されているものが多数ある。また、肉筆浮世絵の蒐集家である氏家武雄の浮世絵コレクションも収蔵。鎌倉地域に伝わる仏像を常設展示し、氏家浮世絵コレクションなどは特別展で鑑賞できる。本館の建物はは登録有形文化財に指定されている。
本阿弥光悦作「国宝・白楽茶碗(銘不二山)」をはじめ茶道具を中心とする工芸品、絵画、書蹟など、 国宝・重要文化財・重要美術品29点を含む600点あまりの古美術品と、 シャガール、ルノワールなどの近・現代西洋絵画を収蔵、展示。
明治時代に活躍した実業家、藤田傳三郎と息子 平太郎、徳次郎によって蒐集された日本・東洋の古美術を主にして1954年開館。「曜変天目茶碗」などの国宝9件、重要文化財53件を含む約2000件を所蔵。以前は春と秋のみの公開であったが、2022年4月のリニューアル後は通年オープンとなり、それぞれテーマを設けた3室が常に公開されている。
久保家と久保惣から寄贈されたコレクションをもとに久保家旧本宅跡地に開館した和泉市立の美術館。書跡、絵画、浮世絵版画などの日本の書画や、中国の書画、中国と日本の陶磁器など国宝や重要文化財に指定されている名品もある東洋古美術を主に、金工品や工芸品、西洋美術など約11,000点を所蔵し企画展で公開している。登録記念物(名勝地関係)に指定されている茶室庭園も是非鑑賞したい。※茶室は2022年11月現在耐震等調査のため、公開を中止している。
刀剣「国宝・太刀/銘 吉房」、武具甲冑「重文・紺糸威胴丸/兜・大袖付」 絵画「重文・洛中洛外図屏風」書跡、能面能装束、彫漆螺細、蒔絵、陶磁・金工など東洋古美術を収蔵し 独自のテーマ展を年5、6回、特別展も1、2回開催している。
毛利家に伝わる雪舟の代表作「四季山水図・国宝」や「毛利元就画像・重文」をはじめとする 貴重な書蹟・典籍類、甲胄、刀剣、武具、衣裳、調度、茶道具、漆器、陶磁器、金工品などを収蔵、展示。 また国指定名勝・毛利氏庭園も必見の価値あり。