全国の美術館の中で、人間国宝の工芸品を所蔵・展示する美術館を紹介します。人間国宝(重要無形文化財保持者)の作品には陶芸、染色、漆芸、刀剣などがあります。
赤れんが館、新館、収蔵庫で構成されている。赤れんが館は明治45年(1912年)に秋田銀行本店として建てられた建物で、国の重要文化財に指定されており、館内には秋田の伝統工芸品の常設展示や、人間国宝の鍛金家 関谷四郎記念室がある。新館には、秋田の歴史・民俗・美術工芸に関する企画展示の他、版画家・勝平得之の記念室がある。平成4年に「秋田市民俗芸能伝承館(愛称・ねぶり流し館)」が分館として開館。
— 所蔵品の中で人間国宝に認定された作家 —
● 関谷四郎/鍛金
東北地方の風土、そして東北の人と文化をこよなく愛していた芹沢銈介の作品と、 氏が集めた世界各国の工芸品が収蔵され公開展示されている。
— 所蔵品の中で人間国宝に認定された作家 —
● 芹沢銈介/型絵染
県ゆかりの板谷波山、松井康成のコーナーをはじめ、富本憲吉、楠部彌弌、塚本快示など、 日本近現代陶芸において優れた業績を残した、文化勲章受章者及び重要無形文化財保持者等の作品を常設展示。 幅広い視野で多彩な企画展も開催している。
— 所蔵品の中で人間国宝に認定された作家 —
● 松井康成/練上手
● 富本憲吉/色絵磁器
● 塚本快示/白磁・青白磁
● 荒川豊蔵/志野、瀬戸黒
● 三浦小平二/青磁
● 金重陶陽/備前焼
● 三輪壽雪/萩焼
● 濱田庄司/民芸陶器
栃木県佐野市出身で酸化鉄を主成分とした釉薬で絵付けする「鉄絵」の人間国宝 田村耕一の作品を収蔵、展示する美術館。展示は時代や技法ごとに紹介され、初期から晩年の作品までを展観できる。さらに田村と交流のあった益子焼の作家などの作品を集めた展示室もある。
— 所蔵品の中で人間国宝に認定された作家 —
● 田村耕一/鉄絵
人間国宝(重要無形文化財保持者)に認定されている作家のなかから、 陶芸・人形・漆芸・金工などの名作、秀作を展示し、「日本の美」を鑑賞できる美術館。 また、湯河原在住の陶芸作家・細川護熙の作品を展示する特別室がある。
— 所蔵品の中で人間国宝に認定された作家 —
● 加藤卓男/三彩
● 荒川豊蔵/志野、瀬戸黒
● 井上萬二/白磁
ぶな林に囲まれた小さな美術館。郷土にゆかりの深い作家である星襄一の木版画、藤巻秀正の彫刻、 人間国宝 天田昭次の日本刀を中心に収蔵し、年4回の企画展示を開催している。(常設展示はない)
— 所蔵品の中で人間国宝に認定された作家 —
● 天田昭次/日本刀
東京国立近代美術館工芸館が石川県に移転し2020年10月25日オープン。名称が国立工芸館となる。日本で唯一の工芸を専門とする国立美術館で陶磁、ガラス、漆工、木工、竹工、染色、金工、人形、デザインなど約3万8千点のコレクションのうち約1万9千点が金沢に移転された。明治後期建築の旧陸軍施設(国の登録有形文化財)を移築し再利用している。
— 所蔵品の中で人間国宝に認定された作家 —
● 荒川豊蔵/瀬戸黒、志野
● 濱田庄司/民芸陶器
● 三輪休雪/萩焼 ※平成15年に三輪壽雪と号する
● 関谷四郎/鍛金
● 清水幸太郎「長板中形
● 富本憲吉/色絵磁器
● 黒田辰秋/木工芸
● 石黒宗麿/鉄釉陶器
● 芹沢けい介/型絵染 ● 松田権六/蒔絵
● 平田郷陽/衣裳人形
● 森口華弘/友禅
● 喜多川平朗/羅、有職織物
日本を代表する高級漆器・輪島塗の産地に建つ漆工芸専門の美術館。 輪島塗りの歩み、人間国宝や芸術院会員をはじめとする現代の漆芸作家の作品、 アジアを中心とした各国の漆芸作品など、漆文化の発信基地として作品を豊富に展示。
— 所蔵品の中で人間国宝に認定された作家 —
● 前 史雄/沈金
● 前 大峰/沈金
● 赤地友哉/キュウ漆
● 大場松魚/蒔絵
型絵染の人間国宝に認定された染色作家・芹沢けい介の美術館。 植物、動物、風景、文字などをモチーフにした帯、着物、のれん、屏風などの型絵染作品約800点と コレクション約4500点は年3回展示替え。建物の設計は白井晟一の代表作。
— 所蔵品の中で人間国宝に認定された作家 —
● 芹沢けい介/型絵染
縄文象嵌の人間国宝である島岡達三の陶芸作品や、長野出身の洋画家・栗林今朝男の絵画、 第二次世界大戦以前に日本で発売されたクラッシックを中心にした、 SPレコードのコレクションを収蔵。建物の設計は安藤忠雄。
— 所蔵品の中で人間国宝に認定された作家 —
● 島岡達三/縄文象嵌
20年に一度行われる神宮式年遷宮を記念して建てられた美術館。 当代を代表する美術・工芸家から神宮に献納された絵画、書、彫塑、工芸などを収蔵、展示。 自然との調和を配慮した現代建築は日本芸術院会員の大江宏による設計。
世界文化遺産でもある、国宝・姫路城の真南に位置し、屋上からは姫路城の壮麗な姿が一望できる。 近現代の陶磁器、絵画の作品収集に力を注ぎ、人間国宝をはじめとする、優れた作家の陶磁器を約800点、 日本の代表的な巨匠絵画作品を約200点を所蔵。展覧会は年に4回程開催している。
— 所蔵品の中で人間国宝に認定された作家 —
● 松井康成/練上手
● 清水卯一/鉄釉陶器
● 島岡達三/縄文象嵌
● 富本憲吉/色絵磁器
● 濱田庄司/民芸陶器
● 金重陶陽/備前焼