絵巻物、水墨画、障屏画、琳派、浮世絵などの絵画、土偶や仏像、神像などの彫刻、さらに金工、漆工、染織、陶磁、刀剣、武具など日本の美術を鑑賞できるおすすめの美術館をご紹介。
明治5年に開館した日本で最も長い歴史をもつ博物館。日本を中心にした東洋のさまざまな国や文化の美術作品、歴史資料、考古遺物などを収蔵。その数は12万件以上に及ぶ。主に所蔵品と寄託品で構成される総合文化展(常設展)は日本文化の歴史をたどる「日本美術の流れ」や彫刻、陶磁、刀剣さらに日本の考古、法隆寺宝物など様々な分野が見られるのでおすすめしたい。他に年5回程度特別展を開催している。
▲
代々皇室に受け継がれてきた美術品の中から国へ寄贈された絵画・書・工芸品などの優れた作品を保存と研究、公開を目的として開館した施設で、2023年11月「皇居三の丸尚蔵館」と名称を新たにしてリニューアルオープン。収蔵品は、平安時代の書や鎌倉時代の絵巻、さらに狩野永徳、伊藤若冲から近代まで各時代を代表する貴重な作品が数多く含まれている。なお施設は現在も増築が進められており、2026年フルオープン予定。
手鑑「見努世友」、伝藤原行成「久松切和漢朗詠集」をはじめ日本、中国の書跡の名品や縄文土器から江戸時代までの日本の主要な陶磁器、伴大納言絵巻(国宝)やジョルジュ・ルオーなど国内外の絵画など多彩なコレクションを収蔵、展示。収蔵品による企画展は年6回、特別展も開催。東京の帝国劇場9階に位置し、皇居周辺が眺められるようにソファが配置されたロビーが休憩スペースとなっている。
重要文化財の三井本館の中に創られ、三井グループで知られる三井家が江戸時代から収集した美術品4000点を収蔵展示する美術館。所蔵品は国宝、重文など名品優品が含まれる茶道具類を主とし、他にも円山応挙をはじめとする円山派の絵画、中国古拓本の聴氷閣コレクション、書跡、能面などを所蔵。
『生活の中の美』を基本理念とし、1961年東京・丸の内に開館、2007年に六本木・東京ミッドタウンに移転した。
収蔵品は、絵画、陶磁、漆工、染織など日本の古美術から東西のガラスまで、国宝1件、重要美術品21件を含む約3,000件に及ぶ。常設展は無く年間約6回の企画展を開催している。
▲
京都の泉屋博古館の分館として、旧住友家麻布別邸跡地に建てられた、都心にありながら緑が豊かで落ち着いた雰囲気の美術館。日本画、西洋画、陶芸、茶道具などを所蔵し、常設展示は無いが、テーマに合わせて展覧会で展示している。
明治、大正期の実業家大倉喜八郎が1917年に設立した日本で最初の私立美術館。The okura tokyo に隣接し、ホテルとともに2019年9月にリニューアルオープン。日本、東洋の古美術品や日本の近代絵画など、国宝や重要文化財を含む約2500件を所蔵し企画展で公開。さらに、建物は国の登録有形文化財に指定されている。
絵画、 書跡、彫刻、陶磁、漆芸、金工、木竹工、染織など、東洋古美術品を多岐に渡り収蔵し、国宝、重要文化財等も多数みられる。茶の湯の道具と仏教美術品はことに充実している。施設内の広大な自然味の深い庭園の散策も楽しめる。
近代・現代日本画専門の美術館。竹内栖鳳「班猫」 速水御舟「炎舞」「名樹散椿」 椿椿山「久能山真景図」の重要文化財指定の名品、御舟の作品と素描のコレクション、 奥村土牛の「鳴門」 をはじめとする戦後の院展出品作の代表作群は必見。
実業家 太田清藏が蒐集した約12,000点を含めた約15,000点を収蔵する浮世絵専門の美術館。喜多川歌麿や葛飾北斎、歌川広重などの代表作はもちろん浮世絵の歴史を網羅的に辿れるような内容、肉筆画と版画の優品を数多く所有など浮世絵の個人コレクションとしては世界有数の規模と言える。毎月展示作品を入れ替えながら多彩なテーマの企画展を開催している。
明治神宮の御祭神である明治天皇・昭憲皇太后ゆかりの品々を保存、展示するため、令和元年10月に開館したミュージアム。設計は隈研吾。明治天皇・昭憲皇太后が実際に御使用になった御物や、明治天皇が御在位中に制作活動を奨励した画家や工芸家の美術工芸品など多岐にわたる収蔵品を展示している。